広島の変容(2)「まちなか」のサッカースタジアムなど

広島市は中心市街地で公共交通や広場を軸・核にしながら複数の大型開発が進められていた。急速かつ大胆に都市の集約化を図っているように見受けられた。 ひとつは、原爆ドームのすぐ近くで広島市民球場のあった基町エリア。市民球場の跡地を公園化し、近接し…

広島の変容(1)新しい宮島口フェリーターミナルと観光まちづくり

観光としては8年ぶり?久しぶりに広島(市)を訪れた。宮島は20代の頃に訪れて以来。2022年に厳島神社の大鳥居の改修工事が終わり、2023年にG7サミットが広島で開催されてから、インバウンドの爆発的な増加について聞いていたが、久しぶりに訪れると様々な都…

2023年を振り返る

2023年の仕事納め。具体的なプロジェクトから、この一年を振り返ってみたい。 1.瀬戸内・興居島にてCLTによるジオデシックドーム"TATARUGA"が竣工 TARTARUGA / OHTANI職業訓練・キャリアアップセンター 夏の前には瀬戸内・興居島に、二等辺三角形のCLTパネ…

ウッドデザイン賞2023を受賞しました

TARTARUGA / OHTANI職業訓練・キャリアアップセンター 私たちが設計した「TARTARUGA(OHTANI職業訓練・キャリアアップセンター)」が『ウッドデザイン賞2023』を受賞しました。 瀬戸内・興居島(ごごしま)の海沿いにできた企業の研修施設・保養所で、木に包…

高知の公共空間の「あいまいさ」と「しなやかさ」

昨年末から仕事で何度も高知を訪れているが、高知市内を歩いていると公共空間の使い方に感心することが多い。 以前からぼんやりとそんな認識は持っていたものの、街路市や屋台など高知の様々な場所で目にすることから、高知に根付いた文化としての強さがある…

南海放送ラジオ『社長のミカタ』

地元のラジオ番組 南海放送ラジオ『社長のミカタ』に5/14・21の2週にわたり出演いたしました。 下記からお聞きいただけます。 南海放送ラジオ『社長のミカタ』 2023年5月14日 株式会社愛媛建築研究所 代表取締役社長 白石 卓央さん(その1) 2023年5月21…

松山ローカルエディターズ 「松山の建築って、どうよ!?」

松山市の観光PRの一環として、松山の魅力を発信すべく結成された「松山ローカルエディターズ」。松山の「ことば」「サウナ」「雑貨屋」などコアな情報発信をされているのを一読者として読んでいましたが、2022年度最後のテーマが松山の「建築」ということで…

2022年を振り返る

2023年の仕事始め。年頭所感に代えて、具体的な仕事から2022年を振り返ってみたい。 こどものための建築認定こども園と保育所の2園が竣工。両者はともにこどものための建築でありながら、松山市郊外の広い敷地に計画した木造平屋建て、松山市の住宅が立ち並…

川向正人+IUW実行委員会『IUWレポート TANGEから建築を学ぶ者への出題』

愛媛県今治市は、故・丹下健三のふるさとであり、丹下の残した建築が多数残されています。川向正人+IUW実行委員会『IUWレポート TANGEから建築を学ぶ者への出題』は、「都市のコア、建築のコア」という理念のもとに丹下が設計した「今治市庁舎広場(周囲の…

日事連 2022年10月号に寄稿しました

今治市伊東豊雄建築ミュージアム(撮影:白石卓央) 日事連 2022年10月号の連載「美術館・博物館巡り」に、愛媛県今治市の「今治市伊東豊雄建築ミュージアム」について寄稿しました。専門家向けの内容ですが、手に取られた皆様はよろしければご覧ください。 …

槇文彦の建築 ヒルサイドテラスとスパイラル(2)

表参道のスパイラル(槇文彦、1985年)を訪れ、大学院時代の先輩・友人に会った。 久しぶりに上京したので、新しい建築も見てみたいし話題性のあるお店にも行ってみたかったが、槇さんの建築を訪れようと思ったのは、そこに時代を超える普遍的な良さがあるか…

槇文彦の建築 ヒルサイドテラスとスパイラル(1)

初めて、子どもを連れて東京を訪れた。コロナもあり、3年ぶりである。 大半を妻の実家のある三鷹で過ごしたが、少しだけ渋谷とその周りを訪れることができた。SDレビューを行っていることもあり、槇文彦さんの建築をあらためて体感しようということで、久し…

瀬戸内 弓削島、生口島

今更ながら。半年前以上前にしまなみ海道を家族で旅行した際の記録を残しておきたい。コロナ禍ではあったが、愛媛では新たな感染者が生じないなど落ち着いていた2021年11月。それでも子供も小さいので遠出はやめて、瀬戸内の島を訪れることにした。 しまなみ…

2021年を振り返る

2021年の仕事を振り返ると、鉄骨造のビルから一室のリノベーションまで、多様な仕事に取り組んだ。グッドデザイン賞など対外的な評価をいただき、個人的には愛知産業大学での設計スタジオ(非常勤講師)や愛媛新聞のコラム「伊予弁」の執筆など、自身を振り…

愛媛新聞「伊予弁」 記事一覧

愛媛新聞のコラム「伊予弁」に掲載された記事の一覧です。愛媛・松山の建築や場所を題材に、考えていることをまとめています。 takaoshiraishi.hatenablog.com takaoshiraishi.hatenablog.com takaoshiraishi.hatenablog.com takaoshiraishi.hatenablog.com …

愛媛新聞「伊予弁」⑥ デザインしないというデザイン

愛媛新聞で連載しているコラム「伊予弁」。第6回は、空間の「質」について。PAAC 平和通りアートセンターのことについて書きました。最終回。 2021年11月17日付愛媛新聞(掲載許可番号:d20211118-13)

愛媛新聞「伊予弁」⑤ パブリックとプライベートの「あいだ」

愛媛新聞で連載しているコラム「伊予弁」。第5回は、公共空間について。常々、公でも私でもない「共」の形に可能性があると思っていて、そのことを書きました。 2021年10月20日付愛媛新聞(掲載許可番号:d20211021-05)

愛媛新聞「伊予弁」④ 日土小学校の教え―建築の保存と活用―

愛媛新聞で連載しているコラム「伊予弁」。第4回は、日土小学校について。保存運動を行っていた2004年に訪れたときのことを思いだして書きました。 2021年9月22日付愛媛新聞(掲載許可番号:d20210922-02)

愛媛新聞「伊予弁」③ リノベーションという「自由」

愛媛新聞のコラム「伊予弁」。第3回はリノベーションについて。 2021年8月25日付愛媛新聞(掲載許可番号:d20210826-01) 三津浜では複数の建物のリノベーションに携わってきたが、三津浜を歩くと、クライアントの個性がそのままお店になったような印象を受…

愛媛新聞「伊予弁」② 「みんな」の建築をつくるには

愛媛新聞のコラム「伊予弁」。第2回は建築のコンペについて。 2021年7月14日付愛媛新聞(掲載許可番号:d20210714-03) 道後アートのやり方が最善とは思わないし、私自身、反省も多々ある。ただ、公共建築のつくられ方にはもっと建設的な議論があっていい。…

愛媛新聞「伊予弁」① 建築における「地域らしさ」

愛媛新聞にてコラム「伊予弁」掲載。 建築に関する実体験を交えながら、社会、文化、地域などのテーマについて執筆予定です。月1回のペースで、2021年11月まで。 2021年6月16日付愛媛新聞(掲載許可番号:d20210617-04) ー 建築における「地域らしさ」 松…

2020年の仕事を振り返る

新しい年を迎えた。昨年もおかげさまで様々な建築の実現に携わることができた。 そのひとつひとつに思い入れがあるが、(住宅を除いて)共通する特徴をワードとして挙げるならば、地域、コミュニティ、コミュニケーション。あるいは「つなぐ」「ひらく」とい…

のこぎり屋根のオフィス

Photography: 宮畑周平 [瀬戸内編集デザイン研究所] オフィスが新しくなった。 内覧の機会を、と複数の方からお申し出いただいたこともあり、内覧会を設えたところ、仕事やプライベートやさまざまなところでお世話になっている方々、近隣の方々など多くの方…

まちなか大学トークセミナーvol.3「小さな場の開き方」

10月27日(日)、愛媛大学地域共創研究センターが主催する、まちなか大学トークセミナーvol.3「小さな場の開き方」に聞き手として登壇。 山之内圭太さん、木和田伝さんをゲストに、愛媛大学の山口信夫先生とともに話を聞く役回り。今回のトーク、企画からお…

ケミビル705 知らなくても楽しい、知ったらもっと楽しい『愛媛の建築』の世界

松山・ケミビルで不定期に開催されているイベント「知らなくても楽しい、知ったらもっと楽しい○○の世界」。 10月11日の第4回目となる同イベントのテーマを『愛媛の建築』としてお招きいただき、工務店の設計者・宮内健志さん、建築系編集者・宮畑周平さんと…

えひめの名建築とは何か?

愛媛県美術館 会議室にて行われた「えひめ名建築発掘発信事業」の第1回委員会に、矢野青山建築設計事務所の矢野さんとともにアドバイザーとして出席。 建築の地域資源化や観光まで視野に入れた、愛媛県内の近現代建築の発掘とリスト化を主な目的にしている…

仮事務所へ引越

事務所の建て替えに伴い、仮事務所へ引越。 40年間のいろいろなものも思い切って処分。小さい会社。それでも、段ボール箱は約200箱。 ダンススタジオとして使われていた1階は壁全面が鏡張り。昭和感あふれる事務所だけど、窓が多く風通しが良いので今のとこ…

谷中、街ぐるみの宿 HAGISO / hanare

以前から「アルベルゴ・ディフーゾ」について興味を持っている。イタリアで「散在する宿」のこと。宿泊や食事がホテルで完結するのではなく、街で部屋のカギを受け取り、食事もまちなかのレストランでとるようなスタイル。 東京では、谷中の街をホテルに見立…

友人のアトリエを訪ねて

東京へ。 十河彰・麻美が共同で主宰するSOGO建築設計と、増田圭吾による、構造設計を中心としたMASDをそれぞれ訪問。ともに同世代の建築家の事務所である。 SOGO建築設計 千駄ヶ谷にあるSOGO建築設計の事務所はマンションの最上階をリノベーションしたもの。…

第0回 ローカルアーキテクトミーティング

4月。Mさんにお声掛けいただき、第0回 ローカルアーキテクトミーティングへ。愛媛県内の若手の設計者で意見を交換する会である。 場所は、この日がオープンだというAkira Yamaguchi Studio。 三津の商店街にあるのだが、山口さんはこの場を作る過程で三津の…