まちなか大学トークセミナーvol.3「小さな場の開き方」

10月27日(日)、愛媛大学地域共創研究センターが主催する、まちなか大学トークセミナーvol.3「小さな場の開き方」に聞き手として登壇。

山之内圭太さん、木和田伝さんをゲストに、愛媛大学山口信夫先生とともに話を聞く役回り。今回のトーク、企画からお手伝いしました。

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山之内さんは東京都内のブリュワリーの醸造長として数々の受賞歴を持ち、今年Uターン。国内外ブランドのウエアなどを販売してきた千舟町のアパレルショップ「DD4D」内のスペースにクラフトビール醸造所をオープン。

木和田さんは広島在住。三津浜の古民家を改修し、クラフトビール醸造所と民泊の開業を目指す店舗兼住宅をこれからオープンさせようとしている。

二人に共通するのは「クラフトビール」作りに携わる点だが、二人のユニークな点は、ただクラフトビールを作るだけでもなければ、ただ古民家ゲストハウスを開業するだけでもなく、それらのプログラム(用途)の共存によって、小さくても新たな場を生み出している(生み出そうとしている)ところにある。

例えばDD4Dではアパレルショップの奥にブリュワリーとカウンターテーブルが共存し、それぞれ異なる客層を取り込みつつ、両者をビジネスとしても成立させている。街にとっても魅力的な場になっていて、そこが面白い。

「聞き手」として参加した私は、建築や場づくりに携わる立場として、そのテクニカルな話ができるといいのかなーと思っていたけど、お二人の生い立ちから今日に至るまでの話を聞きながら思ったのは、その技術論的な話ではなく、二人のベースに、そのビール作りや、地域や、あるいは家族に対する「思い」があるということ。要するに、二人ともとっても熱かった。

そして、二人が同業者でありながら、既に深い協力関係を築いているということも興味深く捉えられた。二人にお声掛けした際にも、同業者の登壇であることを確認したが心配は無用で、「市場が小さいからこそ協力も大事」とのこと。

さらに、クラフトビールの魅力についてもあらためて気付かされたように思う。「ビールはワインやウイスキーと異なり、何度でも挑戦できる」「作ったものを自分の目の前で飲んでもらって評価される」といったことを山之内さんは話していたが、ストリート感の漂う二人には、さらに言えばお客さんや関わる人との即興の対話、いわばライブのような感覚を楽しんでいるような気がして、そこにクラフトビールが合うんだろうなと。単純にアルコールがあれば場の空気も異なるし、ビールは持ち運んで別のイベントにも持っていけるし、クラフトビールの場を繋ぐツールというか、メディアのような役割というか、そういう魅力があるなーと。

ともあれ、大学の関わる事業の一環でありながら「古民家でビールを飲んでトーク」という、アカデミックとストリートが融合したような場を作れたのは良かった。三津のこの建物もすごくいい場になりそう!

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