広島の変容(2)「まちなか」のサッカースタジアムなど

広島市中心市街地で公共交通広場を軸・核にしながら複数の大型開発が進められていた。急速かつ大胆に都市の集約化を図っているように見受けられた。


ひとつは、原爆ドームのすぐ近くで広島市民球場のあった基町エリア。市民球場の跡地を公園化し、近接して「まちなか」のサッカースタジアムを建設。文化・スポーツ施設が集約され、都市の核としての性格がより強まってゆくように感じられた。

もうひとつはJR広島駅前。広島駅は繁華街とは離れた立地であることからも「駅前」の印象が薄かったのだが*1、2009年に広島カープの新拠点である「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」が開業。2012年からのJR駅改良工事を契機に、駅周辺に超高層ビルが建設されて著しい変化を遂げていた。

 

広島サッカースタジアム(エディオンピースウイング広島

左奥にサッカースタジアム。手前は左から、県立総合体育館、中央図書館、ひろしま美術館。

原爆ドームの近くでは、サンフレッチェ広島の拠点となる「まちなか」のサッカースタジアムがオープンしていた。原爆ドームひろしま美術館、広島城と近接し繁華街にも近い。敷地は中心市街地ゆえ狭い区画だが、よく納めたものと思う。収容は28,520席ということなので従来のスタジアム(40,000席)よりコンパクトになったようだ。
元々、建設地には現在の場所ではなく、宇品(広島港)が選ばれていたようだが、サンフレッチェ側が「採算が合わない」として旧市民球場跡地への新スタジアム建設案を提示するなど、オープンまで紆余曲折あった模様。街なかに立地することで、事業継続性を高めるだけでなく、観客としても足を運びやすくなり、周辺の繁華街への波及効果などメリットは大きいだろう。サッカースタジアムが郊外に立地することの課題を目の当たりにしている当地からすると羨ましい限りである。

ただ隣接する基町住宅との間には騒音問題などが考えられるし、新しい東側の公園・施設もまだ整備中である。どのように街に馴染んでゆくのだろうか。スタジアムにも都市施設としての複合的な用途も求められそうだが、そのあたりはまた確認してみたい。

hiroshima-stadiumpark.jp

 

 

ひろしまゲートパーク

ひろしまゲートパーク(設計:大成建設、2023年)の「大屋根ひろば」

奥には改修された「おりづるタワー」(設計:三分一博志、2016年)が見える

サッカースタジアムのすぐ近く、広島市民球場の跡地は"HIROSHIMA GATE PARK"という市民公園に生まれ変わっていた。中央にイベント広場を設け、低層の店舗群と「大屋根ひろば」が囲う。ベンチなども置かれていて、日常的にはまちなかの憩いの場として使われ、イベント時には賑わいの場として利用されることが想起できた。サッカースタジアム利用客の受け皿にもなるだろう。

平和記念公園から続く軸線

なお、平和記念公園から原爆ドームを貫いて伸びる「平和の軸線」はこの公園内を貫き、北側を小さな丘で受け止める形で整備されている(北側の総合体育館も軸線を継承する形で計画されていたことにも今さら気付いた)。
Park-PFIを含む再開発とのことで、20年後には解体されるのだろう。

初代・広島市民球場(2008撮影)。この外形をなぞるように公園も整備されていた。

gate-park.jp

 

 

JR広島駅前再開発

JR広島駅では駅前再開発として駅ビルを建設中だった(~2025年春予定)。広島電鉄路面電車)が現在の地上から駅ビル2階へ乗り入れ、路面電車とJRの乗り換えが便利になる。路面電車のルートも見直し、駅から駅前通りを抜けるルートが新設されるようだ。

広島駅から道路を挟んだ向かい側は2010年代に大きく2つのブロックの再開発が行われていて、ごちゃごちゃとした印象のあった駅前景観がこざっぱりと変容していた。Bブロックは地上52階建・197.5mの超高層による西棟(シティタワー広島)と10階建の東棟による店舗+分譲マンション。キーテナントはビックカメラ。Cブロックは地上46階建の住宅棟と、11階建の商業棟。キーテナントはエディオン蔦屋家電

駅前には広場もできるようで、デザイン監修はSUPPOSE DESIGN OFFICEとのこと。

www.westjr.co.jp

駅の中のお好焼き屋も繁盛していました



*1:同じような構造が松山にもあり、今後の松山を考える参考になった。高知、熊本、鹿児島、長崎なども同様の構造がある。