えひめの名建築とは何か?

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愛媛県美術館 会議室にて行われた「えひめ名建築発掘発信事業」の第1回委員会に、矢野青山建築設計事務所の矢野さんとともにアドバイザーとして出席。

 

建築の地域資源化や観光まで視野に入れた、愛媛県内の近現代建築の発掘とリスト化を主な目的にしている本事業。
今回はこれまでに市町や建築士会にヒアリングしてかき集めた200件超の戦後の愛媛の建築一覧を基に、今後の方針などについて議論を行った。


地域の建築をリスト化する。このような際には著名な「建築家」の「作品」を挙げてゆく方法がある。ただ、これはある種の偏った見方だと思うし、そのようなやり方ではリストからこぼれてしまうような、しかしキラリと光る愛媛ならではの地域性や物語性を有するような建築をいかに取り上げるか?その視点や方法とは?


ーー私自身はそんなことを考えていたが、どの委員の先生方も同様に既存のやり方で良いとは思っておらず、活発な意見交換がなされた。もちろん、建築家の作品を取り上げるのは手法のひとつであるし、その点をまとめることも重要であるのだが、地域発であるからには、中央的な建築メディア視点を盲信するのは危険であろう。


ある委員の先生の発言にもあったが、愛媛の近現代建築史はあらためて洗い直して整理すべきだろう。そうした通史的な観点から見えてくる対象やテーマがあるように思う。