新しい年を迎えた。昨年もおかげさまで様々な建築の実現に携わることができた。
そのひとつひとつに思い入れがあるが、(住宅を除いて)共通する特徴をワードとして挙げるならば、地域、コミュニティ、コミュニケーション。あるいは「つなぐ」「ひらく」といった動詞かもしれない。その代表的な内容を簡単に挙げておきたい。
ひみつジャナイ基地
道後で継続的に取り組んでいるアートプロジェクトの一環として、日比野克彦さんや建築家の藤村龍至さんらを審査員に迎えた設計コンペの段階から準備してきた建築。コンペの最優秀賞を受賞したのは、愛知の松本樹さん(大学院生)。松本さんのデザインを実現すべく、コンペ後には実施設計・監理という形でバックアップを行った。
施工に携わったのは地元の伊予匠ノ会のメンバー。
麦宿 伝 Guest House Brew
空き家をリノベーションした、ブリュワリー&ゲストハウス。
全体計画から職人の手が必要な構造的な部分をこちらで担い、できることはクライアントご自身がDIYで行うといった進め方をした。
髙本ビル(めしSAKE珈琲 髙本)
築60年を超える、角のアールのデザインが印象的なビルの全体的な改修、そしてその一角に構えるお店のインテリアデザインを行なった。髙本ビルの設計は故・高本鉄之介。
https://www.facebook.com/takamotobldg
掩体壕(保存修理設計)
掩体壕とは、太平洋戦争末期に軍用機を守るために造られたコンクリートの構造物で、松山には3基が残る。そのうち1基について、保存修理・一般公開に向けた設計を行った。その文化財としての価値や現状を確認する状況調査を行ったのは2016年。
https://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/heiwa/entaigou.html
のこぎり屋根のオフィス
思えば、弊社事務所の建替えも行った。新たな場で思考し実践を行う一年だった。そして、これら全ての建築はコロナ禍の中に完成したものである。それぞれに苦慮の中で軌道修正(軌道変更?)も行なわれたことを付して記憶しておきたい。