小林博人・三島由樹 講演「社会や景観に働きかける新しい空間デザインのアプローチ」(1)

建築家の小林博人さん、ランドスケープ・アーキテクトの三島由樹さんが松山で講演をされるというので拝聴。

 

まずはランドスケープデザイナーの三島由樹さんから。一般の聴講者が多く占める中、三島さんは「ランドスケープ」「ランドスケープデザイン」という概念を三島さんの解釈を通じて分かりやすく説明。ニューヨークのセントラルパークをデザインしたFrederick Law Olmstedを引き合いに「ランドスケープデザインは緑のデザインではなく社会のデザインである」としたうえで、ご自身のプロジェクトを紹介された。

 

AJIROCHAYA

東京・八王子にある「AJIROCHAYA」は八王子駅から徒歩約5分、ユーロード沿いにある店舗等の複合施設。老舗の茶商があったものを蔵などを残しながら建て替えたそう。イベントなども行われている。

ajirochaya.com三島さんが「公園と庭と畑のあいだ」と語るこのプロジェクトは敷地内に路地が通されており、建物の外側を含めて丁寧にデザインが施されている印象。例えばこの道にも鉄平石(しかもしっかりと面取りをされている。こうすると歩きやすいそうだ)を敷き詰めている。敷地内は通り抜けることができ、槇文彦さんによるヒルサイドウエストを思い出す。建物のあいだでアクティビティを誘発するデザイン。

どこかで見たことがあると思ったら、三津浜を拠点とするアーティスト・海野貴彦さんらさんによるイベントが先日行われていたばかりなのを思い出した。

 

三島さんは最後に空海による「自利利他」という言葉を紹介されていた。私自身、空海はドボクの人だと捉えているが、「八十八箇所」というのも壮大なランドスケープデザインと見て取ることができそうだ。

 

三島さんが代表を務めるFOLK

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